「最期までこの国の未来の為に命を賭けたい」五代様ありがとうさようなら
太く短く大阪商人のために生き抜いた男・五代友厚がこの世を去りました五代ロスが本当に心配です
美和の晴花亭にいるあさ
秘書の三坂が悲しい別れの知らせを持ってくる
身体に鞭打って働いていた五代友厚
もし、いつか自分が死んでしもうた時に白岡さんにこれを渡して欲しい言うて
秘書の三坂があさに手渡したのは
なんとあのファーストペンギンの写真でした
あさと新次郎が大阪商法会議所へ駆けつけます
新次郎はもう大事な話はしましたよって
ここで待ちますよって一人で行ってきなはれとあさを促します
見舞ったあさが見たテーブルの上の薬の山と書類の山・・・
ソファーで寝ていた五代友厚が目を覚まします
こら夢やろか?・・・
夢と思ってもろてかましまへん
もうあさには会わないで東京へいくつもりだった
そやけど良かった・・・・
苦しそうな五代友厚
会いたいない気持もありましたけど
なんべんも思い出しては思てたんです
やっぱり・・・些細な方の話を聞いておけばよかったって・・
あさは涙ながらに
もう些細な話なんかしてる場合ではございません
うちは貴方様に道を照らしてもろうてここまで歩いてこられたんです
そやのにうちはまだ何もお返ししておりません
英語で・・
気にしないで・・
道を照らしてくれたのは貴方の方です
私は初っ端から貴方に怒られた
大阪に遊びに来たあさとの出会いを懐かしがる五代友厚
勝手にぶつかってきてぺたぺた触ってそれが日本男児のすることですか!
いや・・最もな言い分じゃ!
あさと五代様は思い出してお互いに笑う
初めての大阪で年端もいかぬ女の子に怒られた事がずうっと忘れられませんでした
イギリスからの手紙を出した経緯を語る五代友厚
大阪の判事になった時に加野屋の店先でくそくらえだす!とあさに怒鳴られた事
けったいな思い出ですなぁ
大阪はあらゆる面で日本の中心になれる場所です
大阪は苦手だったと振り返る五代友厚
大阪商人はきっちりとした仕事ぶりに心を改めました
私はまだまだ死にません
私にはまだまだやり残したことが沢山ある
本当にまだまだなんです!
貿易、金融、紡績、鉄道、商船
私はまだまだ大久保さんみたいにこの国に何も残せていないんです
最期までこの国の未来の為に命を懸けたい
あさとの時間をしみじみと振り返り
自分のやり残している事を熱く語る五代友厚
ピングインは貴方様だす
そう言って以前九州の炭坑へ来て五代友厚が置いていったハンカチに書いてあるペンギンを見せる
あさがファーストペンギンが子供の教本にのっている事を語り二人は企鷲(ぺんじゅん)について語り合う
五代友厚の机の上の砂時計が残り少ない・・・・
まるで五代友厚の寿命になぞられているかのように・・・
この後、五代は東京に移り住み療養生活を始めました
その1ヶ月後・・・・・・
五代は東京の地で亡くなりました
ほんまに
二度と追いつかれんようになってしまいました
悲しみにくれるあさ
新次郎が抱きしめて慰めるが
その新次郎の目にも涙が・・・
明治18年9月の事でした・・・