あさが来た はつと新次郎はおいてけぼりの寂しいもん同士や
はつは何故?今頃あさと入れ替わって山王寺屋に嫁に行った事を持ちだしたのだろう
台所から聞こえがびっくりぽんという声があさに似ていたので
」
喜んで向かうとなんとあさの姉にはつが漬物を持ってきていたのでした
身重のはつおを気遣い新次郎が重そうな荷物を持って途中まで送っていく事にしました
すんまへんそないなもの持たせてしまって
あさから聞きました
あたやや子がお腹に
それに家に帰っても嫁さんがいない時にまた遊び歩いて言うてお母ちゃんに怒れるだけです
小ちゃい子みたいだすな
へぇ、わてなんか大きい子供だすわ
惣兵衛はん、どないしてはりますか?
それが・・・また帰ってけえへんのだす
はあ
またですか・・
うちの漬けたおつ家物打ってくる言うて・・・
出て行ったさかい、そnうち帰ってくるて思てんのだすけど・・・
ハハハわてら同じだすなぁ
わてら置いてけぼりの寂しいもん同士や
新次郎の苦笑いにまるで心にぽっかり穴が開いているかのようでした
そう思った時にはつの脳裏によのの言葉が蘇りました
「あんたは初めはうち(加野屋)の嫁になるはずだったんです」
急に黙ったはつが心配になった新次郎
おはつさん?
現実にひきもどされたはつがうろたえる
新次郎が持っていた漬物桶を取り返そうと
やっぱり自分で持ちますと取り上げようとする
はつと新次郎は川の近くで荷物の取り合いになり、二人の手と手が触れ合った瞬間
あかん・・・
そう言い残して新次郎は川に落ちました
謝るはつ
すんまへんだした
川から上がって来た新次郎
こっちこそすんまへんでした
また縫うてもろて
風邪でもひいたら
わてが風邪引いたかて誰も困りはいたしまへんよって
そんな
へっくしょん
大きなくしゃみをする新次郎
ほら
あああ
すんまへんといって新次郎の袖の汚れを拭く
それを通り係の農婦がにこにこして
仲がいいこってぇ~と声をかける
新次郎が夫婦や思いはったんかいなぁ
まさかとはつが返す
まさかいう事もあらしまへんで~
もしそうなってても
ちょっともおかしなかった事ですし
何の気もなしに言ったつもりの新次郎
でもはつの反応に・・・
気まずい雰囲気を読み取る新次郎
よし!わてもゲン悪いから、お参りしておこう
お地蔵さんの前に行く
もし・・・
もし・・・加野屋のお母さまが言わはったみたいに新次郎さんのお嫁になるのがうちやったら今ごろ、どないなってましたんやろ・・・
はつを見る新次郎の目がはて?という顔になっているのを見て
我に返ったはつが
何を言うてますのやろ・・うちは・・
すんまへん
何もなかったような顔をして新次郎は
いや・・・おはつさんもお参りしはったらええわと誘う
惣兵衛はんが早、帰ってきますように・・・てな
へえそうしまひょう
努めて笑顔になるはつ
お地蔵さんに手を合わせながら不思議そうにはつの顔をみる新次郎でした・・・