あさが来た はつが和歌山の土地の証文を惣兵衛に打ち明ける
藍之助の子役がまた変わった大きくなって抱っこも大変そう
忙しい仕事の合間にはつと藍之助の顔がみたくて畑へやってくるあさ
ピーピーと竹でできた笛を吹いて見せる
藍之助もなついていて、ピーピーと竹笛を吹く
あさは仕事で出かけるせいか素敵な白い着物を来ている
藍之助が竹でできた笛上手に吹けるようになり嬉しそう
上手！上手！もういいの？
あさ・・明日からまた九州やて？
へぇ、せやさかい
その前にお姉ちゃんと藍之助の顔見とうて来てしまいましたんや
ずっしり重くなった藍之助
そやけど、これから寄合所にもよって、いろいろ話聞いてとかなあかんのです
そんな忙しい時にうちなんか寄って・・
そやけど二人の顔見てると元気になるんやもん
ほんならうめよろしゅうな！
へえ、お漬物預かって帰ります
藍之助を愛おしそうに抱っこしながらあさがはつのところへ行きます
あさ気つけてな・・はつが藍之助を受け取ります
お姉ちゃんもう惣兵衛さんに言わはりました？和歌山の事
それが・・・
藍之助も大きくなってはつが抱っこすると３歳位に見えます気が済むと仕事に出かけるあさ
惣兵衛への挨拶もそうそうです
相変わらず忙しそうなやっちゃなぁ
そのうちヒゲでも生えてきそうな勢いやなぁ
後生でございますからその事だけは言わんといてあげてくださいませ
寄合所の男の方にも加野屋の嫁はヒゲが生えてる
心臓にも毛が生えてる言われて
ほんまは気にしておられますわな
ふっと笑う惣兵衛
そやの・・
はつは憂い顔です
夜になってとうとうはつは今井の母から譲り受けた証文を惣兵衛に見せることにしました
はつは今井家から譲られた和歌山の土地について惣兵衛が気分を害するのではないかと話すのをためらっていました
そうするうちに一年近くが過ぎていました
そこでこの日、はつは思い切って惣兵衛の前に土地の証文を差し出しました
へぇ、この土地で一家みんなで頑張って、ほんでいつかきっとこの恩を何倍にしても返して欲しいと母からそない言われました
黙って受け取ってしもて、旦那様に申し訳ない思たんだすけど・・・
申し訳ないことなんかあれへん、今井のお義母さんはわしら一家にもういっぺん前に踏み出す機会をくれはったんや
惣兵衛は証文を地面に置いたかと思うと恭しく証文に頭を下げました
おおきに、お義母さん、ほんまおおきに
深々を頭を下げます
旦那さま、お顔を上げてくだはれ！
はつもおおきに受け取るのは辛かったやろ、お前は優しいように見えてほんまはえらい意地と誇り持っている女やさかいな
いいえ、うちの誇りやなんてお義母様に比べたら・・・
せやな・・・・気がかりんはお母ちゃんや・・よし
惣兵衛は気が重くなりました
この好機を行かせるかどうかは、ひとえに菊に掛かってていました
そんな事もすらず菊は先祖代々の眉山家のお位牌に向かって今日も手を合わせブツブツ念仏を唱えながら拝んでいました
