あさと雁助が東大寺の仁王に似てる・更に加野屋の四男坊りりしいとは!
男になる決心を迫られる嫁が夫に妾を囲ってくださいと頭を下げるなんて辛すぎる
明治4年(1871年)7月明治政府は全国の藩を廃止して新しく県を置く「廃藩置県」の令を発布しました
新政府になっても藩はそのまま存在して便宜上、元々の藩主の大名が治めてきましたが以後は政府が指名した者が各県には県されて統治する事になりました
それと同時に藩が抱えていた負債を肩代わりしようと考えました
しかし、その内容は驚くような内容でした
雁助がやってられないとばかりに大声を出す
口を大きく歪ませて歯が丸見えで怖い顔です
あ~あ~あ~お大名に肩入れして・・・
振るい借金は借金は棒引き・・
新しいもんも50年かけて無利息での返済になるやて
酷い(ひどい)話だす!
あさも帳面とにらめっこして算盤を入れて口をへの字にしてほほをふくらませる
政府に尽くしても所詮こないな事しかやってくれはらへんのやったら
やっぱり他に商いの道考えな他に生き残る手立てはあらへんのやと思います
それを見た亀助が
若奥さん近頃益々仕事気張ってはるなぁ~
感心する
弥七が笑うので
気になる亀助
何わろてますねん!
恐る恐る弥七が亀助に
あの番頭はん(雁助)と若奥さん
東大寺の仁王さんそっくりや思いまして
よく見ると
雁助が大きな口を開けてあ~と唸る
あさが口をへの字に歪めてん~と唸る
ほんまやな!
思わす亀助と弥七、居合わせたふゆが笑う
りりしい男が二人
正吉が雁助とあさにハッパをかける
まぁとにかくやな
この新政府が肩代わりするという
その額をやな洗い出さなあかん!
亀助!何も知らない雁助が来て
何をニヤニヤしておますのや?と尋ねながらも
仕事の話を一生懸命してくる
そこへ
今度は山屋の与平さんがくる
なんと石炭をあさに見せるために持ってきたのです
感心するあさ
へえぇ~これが石炭だすかぁ
えらい艶があってえ~色してるもんだすなぁ
おっ分かりはりますか?
さすが加野屋はんの四男坊!
思わず
はい!と返事をしたが
えっ?
四男坊?と与平さんに聞き返すあさ
とぼけた与平は
知らんのかいな?
あんさんがあんまり男みたいに働くもんやさかいに加野屋さんは
嫁さんもろうたんやのうて、人を増やしたようなもんやて評判でっせ・・へへへ
男みたい?とつぶやくあさ
へえ
このええ石炭の取れてた山の持ち主の櫛田さんというお方がこの間亡うなりはったそうでなぁと言って石炭をも七輪で燃やして見せてみる与平
この櫛田さんの奥さんが跡取りもいないもんですから早々に売りたいと言うてはるそうで
そうどすか~
書類に目を通すあさと正吉
あさは一生懸命、正吉にこの九州の筑前には質の良い石炭が沢山埋まっている話でと説明する
お茶を出しに来たうめが思わず
やっ!こんなところに石がと手に取る
加野屋を救うてくれるお宝になるかも知れんのやさかいとたしなめるあさ
お父様今をのがしたらあかん!思います
正吉も真剣です
金は?足りてますのんか?
いや、政府が肩代わりする分とうちがかき集めたお金、全部足してもまだ足りやしません
正吉が蔵野炭坑の書類をあさに投げつける
せやさかい!始めに半分入れて残りは3回払いに分割でけへんか櫛田の奥さんに直接会いに言って掛けあってみよて思います
あさちゃん!
あんたほんまに覚悟ができてますのんか?
嫁が長いこと家開けるのは本来はあってはならん事だっせ
それがどないなことかよう考えて、それでも行く言うのやったら、私はもう止めましまへん
男なら許される事が女には許されない時代
その夜あさはある決心をしました
寝床に九州の地図を広げているのを見て尋ねる新次郎が
どうした?
九州の炭坑に商談に出かけると半月以上帰って来れない事を説明するあさ
何が言いたいと尋ねる新次郎に
とうとうあさは決心した事を言いました
お妾さんを囲っておくれやす
あさには辛い決心だった事でしょう
【東大寺の仁王】とは
東大寺の南大門にいる運慶の金剛力士像
金剛力士は仏教で言う守護神です
1203年(建仁3年)7月24日~10月3日迄の70日間に像造されたことがわかっています
右に吽形像(口を結んでいる)
阿形像(開口している)
2体を一対として寺院の表門などに安置する事が多く一般には仁王(におう)の名前でしたしまれています
このような造形物は寺院の内に仏敵が入り込む事を防ぐように守護紙としての性格を表しているのです