あさショック 新次郎が美和に誘われる 男を立てるかめかけを持つか?
その昔はお家は代々直系の男子が継ぎ正妻に子がない場合は別腹で生まれた子供が何人もいる場合がありました、あさが来たヒロインのモデル広岡浅子さんも実は三井家ではめかけの子だったのです、姉の春もです、江戸時代の将軍さまのように・・・
三味線の師匠の美和の家
縁側にいる新次郎
珍しい事だす
今夜は二人っきりだす
どないどす
もうお酒はこのくらいにして
新次郎の手を握る美和
色ぽい目で新次郎を誘う
美和の合図が分かったのか見つめ返す
見つめ合う美和と新次郎・・・・
あさがツレナイ事もあり美和の誘いに乗ってしまいそうな新次郎
ところが美和が新次郎の袖を見ると粗い目の縫い目を笑う
あさが忙しい仕事の合間に不器用なりに針で指を何べんも刺しながら一生懸命縫ってくれた袖の縫い目でした
一気に酔いが覚めた新次郎
もう~いかずなお方
そう言われても
とっととあさの所へ帰っていった
次の日
偵察に行っていた亀助から話を聞いたよのが新次郎に近寄ってくる
新次郎が縁側で赤猫に鰹節(かつおぶし)の餌をやりながら背中を撫でているところによもが話しかける
今日もあささんはあんたをおいてどこぞのお商売の話ききに出ていってしもうたいうやないの
なぁ新次郎
あんたたち、ほんまにきちんと夫婦なんだすか?
猫を抱き上げる新次郎
も~跡取りもちっともできまへんみたいやしなぁ
跡取り言うたかてわて分家ですしなぁ
よのは単刀直入に
めかけ(側室)をつくりなはれ!
聞いてますで、お三味線のお師匠さんとええ仲なんやってなぁ?
誰がそないなこと!
反論する新次郎
だれでもよろし、そのお師匠さんにお願いしましょ
そやなぁおめかけ(側室)さんに外で働かれるとうちが恥かきますさかいなぁ
三味線の仕事は辞めてもろててうちで毎月のお手当を払ろうて住んでもらう家をもちゃんと用意しますさかい
何言うてはりますのや?このご時世なんでわざわざそんな事にお金つかわなあかのや・・・・
よのは老舗両替屋の姑としての道理を説く
跡継ぎをつくるより大事なことあんんかありますかいな
お姑さんが意地悪なようにも聞こえますが、よのが言うのも最もな事ですし加野屋ほどの大店(おおだな)の若旦那ならめかけ(側室)を持つのはよくある話なのです
別腹でも良いから跡継ぎを希望するものなのです
なんと間が悪い事に、あさがこの会話をなんと縁側を通りかかって聞いてしまいました
ショックを受けたあさはふらふらと踵を返して、地面に足が付かない様子
離れの座敷までたどりつくなりペタンと座り込んでしまった
そこへうめが声を掛ける
お腹でも空かしはったんですか?
あさにとって新次郎のめかけ(側室)の話は衝撃的だったようだ
うめに何か言いたくても「めかけ(側室)」とだけやっと言う
なんと残酷なんでしょうね、お家の為に頑張っているから新次郎さんのお世話がおざなりになっているというのに・・・
【妾とは】
妾(めかけ)側室(そくしつ)側妻(そばめ)とも言う
婚姻している男性が妻意外にも自分の妻のように籍には入れないが囲う女性(やしなう女性)の事
他には二号(にごう)さんと呼ぶ事もあります
妾は妻が承知しているものです
妻に秘密にしている不倫とは大きく違うようです
妾になる時には間接的に「○△さんの世話になる」と表現する事が多いようです
世間一般的には地域社会において妾の産んだ子供は正妻が産んだ子供より低く見られる傾向がある
家業や家を継ぐのは男としていた所では妾の子(別腹の子)であって男系男子が継承していた
一夫一妻制の下で独りの女性が生涯で出産できる子供の数が限られている事や妻の健康状態や不妊などがあり男系男子を維持する為に側室をもって子供を確保する
現代では一夫一妻制のもとでは側室や妾を持つ事が不貞行為に当たる為に公然には認められていません
1870年(明治3年)12月に制定されている布告ではつまと妾を同等の2親等と定めていました
妻と妾が同じ権利は持ってはいませんでしたが妾の存在が公認されていたのです
1880年(明治13年)7月刑法の中の布告で妾に関する条項は消えました
1898年(明治31年)戸籍法により戸籍面から妾の文字が消えました