あさが美和に嫉妬は空振り 姉はつに笑顔が戻り惣兵衛を黒蛇はんと呼ぶ
新次郎にせがんで石炭の話を聞きに三味線の師匠である美和の元へ連れて行ってもらうあさ
まずは筑前に行かなあかんわな
ええ
石炭が？
あさが話を聞いている間に仲睦まじそうな美和と新次郎
二人をガン見するあさ
みると新次郎の袖の縫い目が揃って変わっている
物のたとえ
珍しく棘の刺さったような言い方をしますな
その縫い目
綺麗な無イメはうちが塗ったもんやあらしません
それ
どこの女が縫ったんですか？
どこに行ってるのかとおもたら
あさの言う通り
縫うてもらいました
これ縫うたのは師匠さんであらしません
これから行ってみますか？
ほれそこにいますがな
指を
あさにこの袖縫うた女に会わせ言われ・・・
お姉ちゃんが縫うたんやな・・・
これでようよう疑いが晴れましたん
やれやれ顔の新次郎です
あの
お姉ちゃんうち
あないな縫い目であきまへんな
ようやくはつが笑った
はつの笑顔が嬉しいあさ
お姑さんに元気があるのは良い事だす
うちの姑さんは置物みたいに静かになってしもうても
いまは一家で
旦那様は
うちは畑の手伝いをして暮らしてます
それにしては加野屋さんは
うちの居場所知ってからはなんべんも来てくれました
あんたに居場所を言いたない私の言う事も聞いてくれて
今は白蛇はんでないで
すっかり日に焼けて黒蛇はんや
黒蛇と呼ばれているのも知らないで新次郎と話している惣兵衛
何の話してますのんやろなぁ
さあなぁ
はつはあさに
貧乏は惨めや
でも今は余計な事考える暇が無くて忙ししゅうてなぁ
忙しいのは良い事や
お父はんとお母はんに伝えて
はつは元気やって
いまでもお家守ろうと気張ってますって
はつに逢えた帰り道あさは
だんな様
えらいおおきに
お礼を行って手をつなぎ帰りました
