あさが来た 井の中の蛙・外では何が起こっているの？お店難儀なの？
おあさ様！はつのお付のふゆに声を掛けられたあさ
亀助はふゆを可愛らしい娘さんや～と鼻の下をのばしています
文を書くことさする禁じられてしもうて
お守り袋をみてはります
はつはお守り袋を気持ちの支えとして日々を過ごしているという
近頃はなんやらお店で働くもんがどんどん減らされてしもうて
心細そうなふゆ
少しでもはつを元気づけたいと、あさは手拭いをしい作引き裂き
素早く何か描き込んでふゆに握らせた
信用できるのはあんただけや
あさは何かをふゆに託しました
ふゆが山王寺屋に戻ると
只今戻りました
なんや番頭さんの話では
なんぞ受け取ってたそうやないか？
いいや何も
その懐の中にはいっているもんわたしなはれ
何ももってはりまさん
逃げるふゆを追いかける店のもの
ふゆは井戸に預かりものを投げ入れる
申し訳けございません
あさに預かったものをはつに渡せなかった事を詫びるふゆ
ええのんや
おかあさんにきついことされんかったか？
へえ懐になんもはいってえんかったということで
番頭さんの気の気のせいいうことで
おとがめなしでした
そうか無事でよかった
そやけど
せっかくのあさ様のお手紙が・・気遣うふゆ
あさはどんなようすでした
加野屋さんのお金を蔵屋敷まで返してもらいにいってるそうです
なんでそないなこと
あさのお家は困っているのやろうか
外では何が起こってるんやろ？
うちは井の中の蛙で何も知らん
うちは商いのことはさっぱり
それでいいんもんと生きてきたんやけど
それではあかんかったんやろか
一人考えるはつ
井戸の前に立ちお守りを握りしめたたずむ
あさ・・・
お店が難儀な事知られたら
今は苦しゆうても
きっと助けてくれる
栄達はのんきなものです
店の者にききました
何遍も妹が会いにきてくれていたとか
はつも店の事で何か手伝いたいのだが、惣兵衛は相手にしようといない
ではせめて、あさが来たら逢わせて欲しいと訴えかける
菊が来てはつと惣兵衛の間に割り込んだあんたの妹はん、近ごろえらい評判悪いで
女だてらに毎日フラアフラ武家屋敷あたり出歩いてろくなもんやないな言うてなそうだすか
あさはあさなりにお家を守ろうとしているのでございましょう
守る？
妻の務めはお家を守る事やと教えられてきたんです
旦那さまうちにもちょっとでいいから教えてくれはれ
何が起きていますのや
お店の外では何が起きているのです？
あんたの役目は子を産む事だけだす
よけいな詮索せんでよろし
本当に冷たい姑菊
だまっている惣兵衛
一方加野屋にもどったあさ
はつに書いた手紙の事をなんであんなこと書いたんやろと後悔するあさ
よし！うちも気張らな！
あさは毎日のように蔵屋敷に通う
幕末の混乱野中藩のひとたちはまともにとりあってくれません
また参ります
返してもらうまでなんべんでもきますよって
いつか一銭でも返ってきたら
だるまさんもびっくりの根性してますな
新次郎にはげまされたのでしょうか
あんた近頃外で何してますのや？
あんたんとこの嫁さんは働きもんでよろしまへえな言われてますのん
天下の加野屋の嫁さんに借金取りさせてるなんて
泣くよの
奥さまはずうっと胸を痛めていたんです
今日も宇奈月藩に取り立てにいったあさ
今日も勘定方はご不在ですか？
毎日おでかけですね
ほんなら今日はここで待たせていただきます
今日はお戻りにならないから・・・と門番が困惑して言うと
門の前にゴザを引いて座り込む
こんなところに座り込んでもらっては困ると門番
ほなどこならええですか？
あさ達が通された部屋はむさ苦しい男たちがひしめいている場所でした
あさは目を丸くしてびっくりぽんや！
