あさ本当は山王寺屋の惣兵衛に嫁ぐはずやった はつに一生言わない秘密とは
新次郎が「あさを好きや」の一言で決まったという許嫁の交換の秘密を知ってしまいまいた
新次郎はあさの顔をみると早々に加野屋を後にしました
その後心配になった梨江があさの様子を見に行くと
女中のうめが言うには、あさは押入れから出てから何やら変だという
梨江があさを見ると
算盤を大事そうに見つめ続けるあさがいた
あさが新次郎から貰った算盤をみて母の梨江は
これはええそろばんでどすえぇ
梅の木を使った珍しい算盤だと言う
そうどすか
ぼつんと言い返すあさに
あんたこの間お父はんに親の決まりで物見たいにもわられくと言ってましたな
その事やけどほんまは、ちょっと違うてます
あんたには一生言わへんつもりでいたんやけどもう言うときます
あんたはホンマは山王寺屋さんの惣兵衛さんに嫁ぐはずやったんや
へぇ・・
あさは驚いて声にならない声を出す
ほんまは先に生まれたはつを加野屋へ二人目に生まれたあさは山王寺屋はんにと嫁ぐ事が生まれた時から決まってたんや
けどな、あんたが7つのお正月に
ああ7つゆうたらうちが木に登って空飛ぼうと思った時た
木から落ちてなあ
そやそやおいどが割れたかと思た時や
あの頃のうちてアホやなぁ
思い出して笑うあさに梨江が驚きの発言をする
その噂が山王寺屋さんまで届いてしもうてなぁ
あさの父親の忠興に頭を下げる山王寺屋さん
山王寺屋の嫁の交換の申し出が会ったのです
うちの惣兵衛の嫁にはしたのあささんでのうで上のはつさんを貰われへんやろうか?
総兵衛はうちの大事だ跡取りです、その嫁だす!そうぞ宜しくお願いいたします、深々とお辞儀をする
冗談やおまへんと
もちろんお父さんは断わりはった
あさかてうちの大事な娘やそんな事は道理が立たへん!
激怒する忠興
あさは思いもよらない話に目を丸くする
お父はんそんな事言ってくれはったん
そしたら山王寺屋さん加野屋の正吉さんに許嫁の交換をもちかけたんや
驚く加野屋の正吉
あささんとはつさんを取り替える?
加野屋にしても、何の事やら青天の霹靂である
そんな冗談やあらしまへんで犬や猫でないんですからなぁ
剣もホロホロです
それでも加野屋さんは
分家さんだそうですな
分家さんやったらよろしいわ
うちは長男!跡取りだっせ
跡取りの嫁言うたらお家の大事やがなぁ~
どこまでも自己中な山王寺屋です
うちの新次郎は分家には出します
そやけど
そやけれども!
(なんでお前んとこの言う事を聞いて許嫁を交換せなあかんのや?)
正吉が寝耳に水の話を聞いて
必死に断りを入れている最中
いつの間にか話を聞いていた新次郎が返事をしてしまう
ええでぇ」
・・・・・??
今お前なんちゅうた?
「ええて言いましたんや」
お前そんなこんな大事なことをええかげんに
ええかげんやあらへんでぇ
わて赤ん坊の頃からあさちゃん何遍も
あさちゃん見てるけど
わてあさちゃん好きや
ほぉ~
渡りに船とばかりに大喜びの山王寺屋の栄達
まだ続ける新次郎
好きやで
仲良うやれる・・思うな♪
本当に嬉しそうに言う新次郎でした
うちかて最初はえらい話やと思うた
けどなぁ
お父はんからその新次郎さんの話を聞いて
あさの為にはそのほうがええ道でやないかって思うたんや
怒ってる?
それとも落ち込んでる?
んん~
あんまりびっくりぽんで言葉もでえへん
犬や猫みたいに貰われていく訳でなかった物で無かったや
新次郎の意思により嫁に選ばれたと解り本当に驚いたあさでした
はつには一生内緒やで
梨江に言い含められるあさ
庭にでて一人になるあさ
お姉ちゃんには一生言われへん
白蛇はんがええお方でありますように
赤ん坊の事から見ててくれはった
おもわず髪を直すあさ
水もみ映る自分の顔をみて
不思議な気持ちがこみ上げて来た