あさが来た 姉のはつの許嫁の山王寺屋へ挨拶に行く姉妹
自慢話ばかりの菊と栄達夫婦、白蛇のような惣兵衛に不安が
山王寺屋ではつがしっかりとご挨拶を行う
山王寺屋の一同は
これはけっこうなご挨拶やことと褒める
山王寺屋の家付き娘である菊が目を細めた
主人の栄達も手放しの褒めようである
忠興は鼻高々である
琴も舞も上達し自慢の娘と言う
恥ずかしくて顔をあげられなかったはつが顔を上げると
おまえの将来のおよめさんやでと言われるがずっと貧乏ゆすりをしている
はつが見上げると惣兵衛の背後の壁には能面が飾ってあった
はつは惣兵衛と能面がクロスして得たい野知れない不安がっころと頭の中を駆け巡り増した
忠興と菊夫婦は商売の話になり
この蔵の金銀は淀川の水が枯れるよな事があっても
のうなるような事はあらしませんと豪語する
今井さんとこは京都一だすやろうけど
この山王寺屋かて浪速一だす
・山王寺屋とは
あさの姉のはつの許嫁の家は屋号は山王寺屋といいますが実在の天王寺屋をモデルにしています
元々はあさの実家の今井家と白岡家と大眉家は同格の家柄でした
当時は「家の格」が釣り合う相手としか結婚しなかったからです
名家の多い大坂商人の中でも歴史が古く「大坂一の豪商といえば鴻池屋善右衛門ですが名門といえば山王寺屋がモデルとしている天王寺屋五兵衛に勝るものはない」と言われたほどの家です
大坂で最初に両替商を始めたのは天王寺屋だと言われています
ちなみに大眉という苗字は、初代当主が容貌魁偉でとくに眉毛が長かった事に由来するといいます
天王寺屋は江戸時代初期、豪商として名高い鴻池屋と肩を並べる家で両家は互いに婚姻関係を築いて居ましたが江戸中期になると天王寺屋の声望は衰えて鴻池屋から融資を仰ぐ羽目に陥って居ました
なんせ浪速一の嫁になるのやさけなぁ
しっかりしてもらわなあきまへんで
大笑いをする
豪語する山王寺屋の眉山菊
そこでなにやら
ああああと声が
そこであさが畳の上を歩いていた蟻を見つけ
捕まえようと失敗し
惣兵衛の前でひっくり返る大失態を見せる
惣兵衛の真ん前でひっくり返ったのにもかかわらず
惣兵衛はあさに手をかそうともしない
迷惑そうな顔をしている
あさを助け起こそうと慌てて駆け寄ったはつ
惣兵衛ええ琴ですわと
貧乏ゆすりしながら
すこし表情がなごんだようにも見える惣兵衛
しかし妹さんの方でほんと良かった
加野屋は商売仇やけどこればっかりは感謝せなあかんなぁ
山王寺屋の夫婦でひそひそ話す
そこへ
拙者は薩摩島津家家中・御船奉行副役(おんふなぶぎょうそえやく)の五代才助と申す者殿様の命により上海で買い付けた船の代金の用立てを頼みたい
才助の声に聞き覚えたあったあさがこっそりお店の方をみるとやっぱりあさとぶつかった男でした
これはこれは薩摩様だすか、いつもお世話になっております
そやけど今は幕府に御用金を納め申したばかりでしてな、蔵にお金あらしまへんのだす
惣兵衛は平然と嘘をついて頭を下げるのでした
納得いかないが蔵に金が無いと言われ仕方なくひきさがった才助ですが
帰り際に目線を感じた才助が店の中に目をやると慌てて顔を引っ込めたのはピストルを取り合ったじゃじゃ馬娘でした
不思議に思いながら帰った才助でした
薩摩に誰がかすか
惣兵衛が五代言った言葉を忠興は聴き逃しませんでした
すんまへん無粋な客がきてもうてと謝罪するが
大きな目で睨みつける忠興
壁の能面に射すくまる
京都にもどったはつとあさ
夜布団にはいりながら話をする
いっぺんも笑わんかったな
そういえばそうやな
あさが目の前で倒れているのに助けもせんし
細い目をしていたな
ちょっと蛇みたいやったな
冷たいおひとや
なんや蛇みたいやった
そんなこと言わんといてといいながら
なんか蛇みたいやったな
あの方白い顔して白蛇さんや
取り繕ってあさが白蛇と言う
私の許嫁さんよりいいわ
折角会いに行ったのに三味線とはどういう訳や
すすり泣くはつ
どうしたらいいんや?
でもどうもならんと言って
泣くはつ
話ているうちにおんおん大声で泣き出すあさとはつ
あさが見たはつの初めての涙でした